肩こり解消には、動きを与えて、筋肉自らで筋ポンプ作用を促す筋の再教育を
図るアプローチが適しています。
適度な動きや柔軟性のない筋肉を直接触って緊張を落としていく筋リリースです。
例えば、肩こりの原因になりやすい肩甲挙筋の癒着を筋リリースする場合、ターゲット
となる肩甲挙筋にトレーナーが圧をかけた状態で、クライアントは肩甲骨の挙上、下制
や、上腕の外転、内転を繰り返します。
この自動運動が大切な理由は、脳に筋肉の正しい動きをインプットさせるという筋の
再教育を目的としているからです。
いくら他動的なアプローチで軟部組織の癒着がとれても、一度その組織が失った正しい
動きのパターンを再取得しない限り、また肩こりの原因となる動きを繰り返してしまい
ます。これでは本当の意味で肩こり解消はできません。
自動運動することで、脳にその筋肉の正しい可動域、動きをインプットになり、肩こり
解消が期待できるのです。
さらに、余分な緊張がなくなった筋肉であれば、その後にアプローチするストレッチ
もとても効果的におこなうことができます。
ただし、筋肉にしっかり触れるということが今回ご紹介したテクニックの大前提に
なっていますので、筋肉の起始、停止や筋走行の特徴など解剖学の知識はとても
重要になってきます。