なぜ背骨は「S字カーブ」を描いているのか?

人間の背骨はS字カーブを描いています。

脊柱彎曲機構とも言われ、私たちが日常生活を痛みなく、快適に

過ごすためにはなくてはならない機能です。

でも、なぜS字状の湾曲が必要なでしょうか?

それは、人間が二足歩行であるからです。

人間は、地球に存在するかぎり重力がかかります。

そして、二足歩行である人間は重力の影響を受けやすいのです。

そのため、重力に耐えるためのクッションとして背骨をS字状にして

重力のストレスから身体を保護しています。

ニュートンが唱えた、力と運動の関係性の法則の1つに「作用-反作用の法則」

があります。これは、ある物体に力が加わると、その物体は同じ力で押し返す

力が働くという法則です。

例えば、10の力で壁を叩いた場合、反作用として叩いた手には同じ10の力が

返ってきます。

しかし、人間の身体は、背骨のS字によるクッション作用のおかげで、反作用力

を吸収し、身体が受ける衝撃を抑えています。

つまり、S字カーブになりえる柔軟性がないと、日々の生活で慢性的に衝撃を

吸収できずに、関節に負担がかかって腰痛などをひきおこしてしまいます。

そのため、身体のポテンシャルを最大限に発揮するために、背骨の柔軟性を

高めることは考慮しておきたい要素です。

人間は背骨で吸収可能なパワーしか発揮できないように、脳がコントロール

しています。吸収可能なパワーを超えてしまうと、反作用でケガにつながる

ためです。

そのため、どれだけ筋肉量が多く大きな力を発揮できるポテンシャルがあっても

はね返ってくる反作用を受け止められる背骨の柔軟性がなければ、潜在能力も

十分に発揮できなくなってしまいます。

背骨の柔軟性には、適度な運動や心理状態など、様々な要因が関連しますが

高まった緊張を下げるためのストレッチは効果がわかりやすく、背骨の柔軟性

を回復させるのに効果的なアプローチ法です。

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